てらまっとのアニメ批評ブログ

アニメ批評っぽい文章とその他雑文

2011-01-01から1年間の記事一覧

冬コミ(C81)のお知らせ・他

ご無沙汰しております、てらまっとです。ずいぶん長いことブログをほったらかしにしていましたが、そのあいだにいろいろとありました。いろいろとありましたが、ひとまず冬コミ(C81)のお知らせです。 魔法少女のつくりかたこうさくらぶさんの『魔法少女の…

多層化するスーパーフラット:マルチレイヤー・リアリズムの誕生(1.5)

存在論的、霊媒的――幽霊の研究 キャラクターの幽霊性とレイヤーの多層性について、日頃考えていることをイメージにしてみました。複数のレイヤーを合成することで生み出される、キャラクターという存在の不気味さやはかなさ。幽霊のようにとらえどころがなく…

多層化するスーパーフラット:マルチレイヤー・リアリズムの誕生(1)

スーパーフラットを解凍するさて「多層化するスーパーフラット」という、いかにもぎこちない概念を説明するためには、さしあたって次の疑問を解消する必要があります。そもそも「スーパーフラット」とは何なのか。それはアニメやゲームのレイヤーとどういう…

多層化するスーパーフラット:マルチレイヤー・リアリズムの誕生(0)

はじめに個人的な話をすると、僕がもう一度アニメを見はじめたのは、ごく最近のことでした。家の近所にレンタルビデオ屋ができ、洋画を見るか邦画を見るか、はたまた韓流ドラマを見るか悩んだ末に、何となくアニメを借りてみたのがきっかけで、それからは毎…

借りる、住まう、考える:拝借景と住むことのアート

それは6月のはじめのこと。ツイッターで知り合った方に招待されて、これまたツイッターで知り合った方と一緒に、茨城県は取手のアートスペース兼改造借家「拝借景」にお邪魔してきました。拝借景さんのブログはこちら→ 拝借景お邪魔させて頂いたときの様子は…

あの日見た花の名前が涙でにじんで見えない。:幽霊と涙とレイヤーについての覚え書き

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』最終回、良かったです。すごく。何が良かったかというと、最後みんなでめんまの名前を呼ぶところが良かった。それまではじんたんだけにしか見えなかっためんまを、みんなが見つけて「めんま見ーつけた」って叫…

とらドラ!:食卓の上の戦争

いよいよ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の放送が近づいてきた。某キャラクターの特徴的な、というか身も蓋もない——本来なら「身」が出ないように「蓋」をすべきところだが、いや失礼——名前が一部で物議をかもしているものの、僕を含め多くの…

そうだ、アキバに行こう——『日本の若者は不幸じゃない』

秋葉原の歩行者天国が再開された。あの痛ましい事件から2年が過ぎ、秋葉原も少なからず変化を続けている。そのあいだに新卒就職率は最低を記録し、政治は迷走するのが基本になり、今年の花粉の量は10倍になるという。かつてなく不幸な時代——誰もがそう考えて…

視界不良の楽園——『放浪息子』の風景について

かねてからPVで前評判の高かった『放浪息子』第一話が放映された。水彩風の柔らかい色彩と、精緻に描き込まれた風景のリアリズム——それはテレビアニメの限界をはるか越えていたと言っても過言ではないはずだ。志村貴子原作の繊細な描線と雄弁な余白が生み出…

ワルプルギスの夜:『魔法少女まどか☆マギカ』——風景の/による革命

まだ『魔法少女まどか☆マギカ』(以下『まどマギ』)を見ていないという人は、僕のつまらない文章を読んでいるヒマがあったら、いますぐ視聴するべきだ。ほんの一部でもいい。検索窓にキーワードを打ち込もう。…それから興奮冷めやらぬ頭で、またここに戻っ…