てらまっとのアニメ批評ブログ

アニメ批評っぽい文章とその他雑文

2018-01-01から1年間の記事一覧

多層化するスーパーフラット(4.0):藍嘉比沙耶とレイヤーの理論

2018年10月から放送されているアニメ『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』(以下『いもいも』)の「作画崩壊」がネットの話題をさらった。とくに注目を集めたのは、キャラクターがしゃべっている口元だけが顔から分離し、宙に浮かんでいるという前代未聞の…

多層化するスーパーフラット(2.1)

村上の「スーパーフラット」概念に対する、理論的側面からの包括的な批判は、日本の現代美術とはかなり異なる文脈から現れた。アニメ研究者のトーマス・ラマールは、宮崎駿をはじめとする現代日本のアニメについて論じた著書『アニメ・マシーン』(2013年)…

多層化するスーパーフラット(1.1)

「スーパーフラット」という概念を提唱したのは、周知のように、日本を代表する芸術家のひとりである村上隆だ。いまからおよそ20年前、村上は江戸時代の屏風絵から現代のアニメや漫画のワンシーンまでを一堂に集めた「スーパーフラット展」を開催した。 同展…

多層化するスーパーフラット(0.1)

美術評論家の松井みどりは、2003年に発表した論考のなかで、村上隆の「スーパーフラット」概念を再検討しつつ、その理論的更新の必要性を指摘している。松井がキュレーターを務め、2007年に水戸芸術館で開催された「夏への扉――マイクロポップの時代」展は、…

無意識をアニメートする:『リズと青い鳥』と微小なものの超越性

2018年4月に公開された京都アニメーション制作の映画『リズと青い鳥』は、監督・山田尚子と脚本・吉田玲子のコンビが手がけた、4作目となる劇場用アニメ作品である。同作はテレビアニメ『響け!ユーフォニアム』シリーズ(2015−2016)のスピンオフだが、登場…