てらまっとのアニメ批評ブログ

アニメ批評っぽい文章とその他雑文

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

アニメはひとを救わない:京都アニメーションに献花する

8月24日、放火事件のあった京都アニメーション第一スタジオに献花してきた。26日以降は献花台が撤去されるため、花を手向けることもかなわなくなる。 あの日、ぼくはパートナーの展示の搬入と設営のために脚立にまたがり、白い展示室のなかで悪戦苦闘してい…

無意識をアニメートする(β) :ヴァルター・ベンヤミンと現代日本の“アニメ”〈2〉

テレビをつける。パソコンを開く。スマートフォンのロックを解除する。これらはいずれも、現代の情報環境下でアニメを見るための最初のステップである。これらの情報機器は私を取り巻く環境のなかに、日常という連続的な時間の流れのなかに、ひとつのモノと…

無意識をアニメートする(β) :ヴァルター・ベンヤミンと現代日本の“アニメ”〈1〉

仕事や学校から帰宅し、遅い夕食をとりながらテレビをつけると、アニメが流れている。少年が運命的に少女と出会い、世界を救うための戦いに挑む。少女たちは学校の部室でたわいない世間話に花を咲かせる。TwitterをはじめとするSNSを開けば、アニメの感想を…

ヴァルター・ベンヤミンと映画の神学(11):仮象と遊戯

「初期言語論」でベンヤミンは、沈黙する自然を名づけることで、自然と人類との言語的・精神的共同性を打ち立てることを目指していた。これに対し「複製技術論」では、自然を名づけることに代えて、自然との「遊戯」という言い方が強調される。ここには、ど…

平和の少女像はかわいいか?

著名なアニメーター・漫画家として知られる貞本義行氏が、展示中止となった「表現の不自由展・その後」に出展されていた『平和の少女像』について、「キッタネー少女像」などとツイッターで発信し、物議を醸している。 キッタネー少女像。天皇の写真を燃やし…

あいちトリエンナーレで「平和の少女像」を見てきた・感想

あいちトリエンナーレの展示「表現の不自由展・その後」がネットで炎上している。 第二次世界大戦中の従軍慰安婦を表現した「平和の少女像」をはじめ、過去に美術展での展示を拒否されたり撤去された作品が集められているためだ。 ツイッターなどで検索する…