てらまっとのアニメ批評ブログ

アニメ批評っぽい文章とその他雑文

2020-01-01から1年間の記事一覧

戦闘美少女とその敵:『ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN』『戦翼のシグルドリーヴァ』についての雑感

2020年冬に放送されたアニメ『ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN』(以下『RtB』)と『戦翼のシグルドリーヴァ』(以下『しぐるり』)には、いくつかの共通点がある。どちらも「萌えミリ」と呼ばれる、美少女キャラクターとミリタリー趣味をかけ合わせ…

良質のエンターテインメントか、体制のプロパガンダか ──『羅小黒戦記』についての考察

先日、日本語吹き替え版が公開されて話題になっている映画『羅小黒戦記』(ロシャオヘイセンキ)を観てきた。もともとは2019年に中国で制作されたアニメ映画で、先に公開された日本語字幕版もSNSなどで評判になっていたから、個人的にとても楽しみにしていた…

フィクションvs.フェミニズム:『宇崎ちゃんは遊びたい!』について

2019年10月、日本赤十字社が漫画『宇崎ちゃんは遊びたい!』とコラボレーションした献血PRポスターがSNS上で「炎上」した。胸の大きさを強調した(しばしば「乳袋」と呼ばれる)衣装を身にまとった女性キャラクター(宇崎ちゃん)のイラストが、主にフェミニ…

魚としての私たち──コロナ禍とアニメ、とくに『放課後ていぼう日誌』について

新型コロナウイルスの感染拡大にともない、『プリキュア』や『ONE PIECE』など、さまざまなアニメが新作の放送を延期している。私が今期楽しみにしていた『放課後ていぼう日誌』も、4話以降の放送を休止するという。これは同作を含む「日常系」と呼ばれるジ…

失われた過去の可能性:『映像研には手を出すな!』について

2020年1月から放送されているアニメ『映像研には手を出すな!』の第1話には、宮崎駿監督が手がけた『未来少年コナン』(1978)を思わせるアニメが登場する。主人公の浅草みどりは、幼少期にこの作品を見たことがきっかけで、アニメーション制作の道を志すこ…